右脳派？左脳派？はもう古い！？脳に関するウソの話【脳シリーズ】

こんにちは、Yuzuruです。

脳について勉強していると、

「あれ？実はそうじゃなかったのか」
「え！迷信だったのこの話・・」

みたいな根拠のない神話がいっぱい出てきます。

実は今回は右脳に関してまとめようと思っていました。

いわゆる想像力やイメージの力を司っているのが右脳で、
『右脳を鍛えてクリエイティブに！』みたいな本もたくさん出ています。

実際僕も昔右脳トレーニングにハマっていた時期がありました・・

ですが・・・

現在ではヒトを右脳タイプ、左脳タイプに分けることはもはやナンセンス（というか間違い）だというのが、脳科学的には当たり前のようです(･･;)（もちろん右脳と左脳の特性の違いはあります◎）

他にも脳にまつわる嘘はたくさんわかっているので、今回は右脳の話を変更して、「脳に関するウソor怪しい話」をいくつか紹介します！

目次↓↓↓

1. １.あなたは右脳タイプか左脳タイプか
2. ２.人間は脳の１０％しか使っていない
3. 3.人間の脳は３歳児までに出来上がる
4. 4.「男脳」と「女脳」は違う
5. 5.大人になったら脳は成長しない
6. 6.赤ちゃんにモーツァルトを聞かせると頭が良くなる
7. 7.おわりに

脳に関するウソ(怪しい)話

1.あなたは右脳タイプか左脳タイプか

「あなたは右脳派の人間ですか？それとも左脳派の人間ですか？」

どっかで聞いたことある質問だと思います。
「自分の適正な職業を診断するための質問」とかで出てきたりしますね。
僕は右脳派の人間に憧れていたタイプです。

でも...実はそんなものは存在しませんでした！∑(ﾟДﾟ)

言うなれば人間はみんな両脳派です。

右脳も左脳も同じ様に、神経ネットワークが発達し、結合しています。
常にどちらか一方が優勢に働くという事実を証明した研究はありません。

ただ、言葉に関する作業をするときは脳の左半球が活性化する、感覚的な作業は右半球が活性化する、という様に、どちらかが特に活性化する時があるのは事実です。

でもそれと右脳派人間か左脳派人間かというのは全く関係ないんですね。
多くの研究でも俗説（世間で言われている根拠のない話）だと証明されているようです(ﾟДﾟ)ナルホド

2.人間は脳の１０％しか使っていない

「人間の脳は１０％しか使っていないから、もし他の全ての機能を使えたらすごい潜在能力を引き出せる！」

みたいな事聞いた事ないでしょうか？

僕はこの話もまんまと信じていました。。苦笑

がしかし！
これも俗説でした（−＿−；）

これまで何度も神経科学者達は否定してきたそうですが、未だに一般的に浸透しているようです。
（そっちの方が面白いし希望があるからでしょうか...?）

実際のところは、MRI脳画像診断やPETスキャンの技術では、簡単な作業をする時でさえ、脳の大部分の領域が働いていることが分かっています◎

3.人間の脳は３歳児までに出来上がる

子どもがおられる方は特に気になる話ですが・・・

これも根拠のない嘘話でした！

脳の成熟は、領域ごとによって進行速度が違うことがわかっています。

脳全体では、比較的成熟が早いのが脳の後ろ側（視覚野）です。（赤ちゃんは首がすわる前から、動くものを目で追いかけたりしますよね）

そして成熟が遅いのが脳の前側、とくに右側が遅く成熟するようです。（脳の前側にある前頭葉の中でも後ろ側から前に成長します）

つまり運動の制御に関する領域の発達が早いのに対して、意思決定などに関わる前頭前野と呼ばれる領域の成熟が最も遅いのですね。そしてその変化は２０代前半まで続いていたという研究結果が出ています(ﾟДﾟ)！

脳の成熟は子どもの認知機能や精神機能に伴って進行するので、３歳までに頑張って右脳教育だー！とかやる必要はないということですね(^^)

4.男脳と女脳は違う

男女脳の違いも定番に出てくる話ですね。個人的にも差はあるだろうと思っていました..。

ですがこれも脳科学的には信頼性がなく、現段階では、少なくとも、形態上、男女の脳に違いはないとされているようです。

世間で男女の脳は違うともてはやされたのは、元になった論文があります。1982年に発表された論文で、
「男女それぞれ、脳梁（右脳左脳を繋いでる神経線維の集まり）の太さを測ったら、女性の方が太かった」
というものです。

ですが、この論文のデータは、男性９人、女性５人の計１４人からしかとっていなかったのです。

さらにその後いろんな研究者たちが再現しようとしましたが、結局再現出来ませんでした。
なので信頼性が低いということですね。

ただ、「絶対に脳の性差がない」とも言い切れてないのが現状のようです。

5.大人になったら脳は成長しない

年齢を重ねると、脳細胞同士のあいだを飛び交う信号や刺激のスピードが落ちていきます。
この傾向は同じ脳の回路しか使わない人ほど顕著になると言われています（ーー；）

ですが最近の脳医学研究では、海馬は脳細胞を新しく生み出していることが分かっています！

また、高齢者の方でも、よく頭を使うほど、軸索（細胞体から信号を他の神経細胞（ニューロン）に伝えるためのもの）が太くなったり伸びたりし、シナプス小胞（色んな神経伝達物質を貯めとくところ）の数も増えていくことが分かっています。

大人になると脳は成長しないという説は、「定年退職して自宅に引きこもりがちになり、やる気を無くしてしまうと、脳は急激に老けていく」という事から、出てきたようです。

いつまでも脳に刺激を与えていきたいですね(^^)

6.赤ちゃんにモーツァルトを聞かせると頭が良くなる

赤ちゃんにクラッシック音楽を聞かせる効果を「モーツァルト効果」として知られています。
頭が良くなるモーツァルト！みたいなCDもいっぱいありますね。

これに関しても、赤ちゃんがクラシック音楽を聴くことで、知能を総合的に底上げするということはないと結論づけられています。そもそも、測りようがありません..。

ただ、大学生を対象にした実験で、モーツァルトを１０分間聞かせたあとは、空間認識能力が一時的に向上したという論文は発表されています。

この大学生を対象としたモーツァルト効果が、子供や乳児にまで影響すると広がったのは、報道機関やおもちゃの会社がモーツァルト効果を派手に持ち上げたからだと言われています。

（乳幼児にも効果があるだろうと憶測し、モーツァルトの音楽に合わせて転がるおもちゃ等を販売したようです。）
確かに売れそうですが..(^_^;)

おわりに

いかがだったでしょうか。

僕も昔から脳には興味があり、色々鍛えようと試みたりしていましたが、結構間違えて覚えたり鍛えたりしていたところがありました^^;

もちろん意味がなかったとは思いませんが、本当に脳を鍛えたいならちゃんと脳の仕組みを知って、科学的根拠に基づいて鍛えるのが大事だなぁと改めて思いました。

脳に関してはまだまだ解明されてない事だらけなので、今後も常識をくつがえす様な話が出てくるかもしれません。（今回紹介した話も、やっぱり実は嘘じゃなかった！という報告が出てきたり..）

今後も脳をフル活用して、楽しく（コレが脳的に大事!）脳について調べていきたいと思います！お読みいただきありがとうございます(^^)

それでは、Have a nice day♪