【行動経済学】「平均への回帰」〜ヒトは最終的には平均に戻っていく話〜

「使える法則」シリーズ 行動経済学(ニンゲンの不思議)

こんにちは、Yuzuruです。

今回は『平均への回帰』というものについてご紹介します!

良いことも悪いことも、すべては最終的には平均へ戻っていくという考えです。

この「平均へ戻る」という概念を知っていれば、うまくいかない日々が続いても、気を楽に乗り越えられるかもしれません(^^)

日々の考え方に活かして頂ければと思います◎

今回の目次↓↓↓

  1. 1.平均への回帰とは
  2. 2.平均への回帰の具体例
  3. 3.平均への回帰を日常に活かす
  4. 4.おわりに

平均への回帰とは?

    「平均への回帰」とは、何度も繰り返していくと、良いことも悪いことも平均へ戻っていく現象のことを言います。

たとえば「ビギナーズラック」や「2年目のジンクス」と呼ばれるものにも、背景には「平均への回帰」が存在しています。

「ビギナーズラック」は、新人が予想外の成果をあげることを言います。そして1年目に大きな成果をあげたその新人が、2年目に振るわなくなることを「2年目のジンクス」と言います。

新人が予想外の成績を収めるということは、平均から大きく離れています。(平均以上なのでビギナーズラックとして注目されるわけです)

ですが、たまたま成績が良かったその新人もやがて平均に収まっていきます。つまり「平均への回帰」です。
(ただ平均へ戻っただけなのですが、これが2年目のジンクスと呼ばれるものです)

逆に、1年目に成績の悪かった新人は2年目になるとそこそこ活躍するというのも、平均への回帰で説明できるというわけです。

もう一つ具体例をみてみましょう!↓

平均への回帰の具体例

褒めるべきか叱るべきか

「平均への回帰」の話は度々指導や教育の場面でも持ち出されます。

よく「子どもや後輩、部下を指導するときに、褒めるのが良いのか叱るのが良いのか」という議論ってありますよね。

確かに人によって様々な意見があり、正解などなさそうな気がします。。

ですが!

今回のテーマ「平均への回帰」の現象から考えると、結論は出ています。

それは...

    『褒めようが叱ろうが、結果は同じ』

です!

これに関して行動経済学者のダニエル・カーネマン教授が著書「ファスト&スロー」の中で体験談を書いているのでご紹介します◎

褒めても叱っても結果は同じ


当時ダニエルカーネマン教授がイスラエル空軍の訓練教官に心理学の指導をしていたときに、あるイスラエルのベテラン教官に、指導は『とにかく叱るべきだ!』と言われました。

その教官の言い分は、

    「訓練生の飛行が大変良かったので、褒めてやると、次の訓練ではほぼ確実に下手になる。
    逆に下手な操縦をした訓練生は、叱りつけると、次の訓練がほぼ確実に上達する。」

というものでした。

これに対してカーネマン教授は、

    「出来が悪かった後は良くなるし、良かった後は悪くなるものであり、褒めるか叱るかとは関係ない」

と答えています。

あっさり答えていますが、これを裏付けるのが「平均への回帰」という現象です。

つまり、褒められたから下手になったわけでも、叱られたから上達したわけでもないということです。

たまたま上手く飛べた日があっても、次の日には平均に戻るので、上手く飛べた日よりは下手になり、
いつもより下手に飛んでしまった次の日も平均に戻るので、下手に飛んだ日よりは上手になる。

ただ平均の成績に戻っただけなのですが、教官は叱ったから上達したと勘違いしてしまったわけですね。

飛行訓練の出来具合を長期的に見れば、良い出来の後には悪くなることが多く、出来が悪かった後は良くなることが多いのです。

このように、平均への回帰を知っていると、この教官のような思い込みを回避できるかもしれません。

平均への回帰を日常に活かす


では、この「平均への回帰」現象を日常で活かせないでしょうか。

考えてみましょう◎

1.「平均への回帰」だと開き直って考える

上手くいかない日が続いたときは、もう全てがネガティブになりますよね...。

でもこの「平均への回帰」を思い出せば、少しは気楽になれそうです!

なぜなら、上手くいかない日々は続かないからです。いずれは平均に戻る、つまり上手くいく日が必ずやってくるので、それまでの辛抱です!

逆に、何やっても上手くいってる日が続いたときは、より客観性や冷静さが必要です。なぜなら、上手くいく日々はずっと続かないからですね(~_~;)

これは心に留めておこうと思います◎

2.確実に勝てる小さな勝負を数多く行う

何度も繰り返していけばいくほど平均への近づくのが、「平均への回帰」です。

ギャンプルや宝くじで1等が当たっても、そのまま繰り返していては、平均への回帰で最終的にせっかくの大当たりがなかったことになってしまう可能性が大です。

不必要な大きな勝負ばかりするよりも、ほぼ確実に勝てる小さな勝負を多く行う方が、予測可能でかつ安定します。(もちろん場合によりけりですが。)

3.とりあえず行動し続ける

とにかく行動して自分の平均点を上げる

自分のスキルを磨き、自分の平均点が上がれば自分の成果のレベルも上がっていきます。

どうせ平均に戻ってくるなら、止まらずに進み続けて、戻ってくる平均値をあげていきたいものです!

おわりに


いかがだったでしょうか。今回は『平均への回帰』についてご紹介しました!

個人的にはかなり納得の現象です。

昔から、「人生山あり谷あり」「人生には波がある」とかよく言われていますが、これも平均への回帰が背景にあるんでしょうか。

「良いこともあれば、良くない事も起こる。」

これはもう受け入れて、とにかく今の自分の平均点をあげていくしかないですね!(゚Д゚)🔥

お読みいただきありがとうございました◎

それでは、山あり谷ありの人生も楽しみつつ...

Have a nice day♪

(今回参考にした本はこちらでした↓)