上級交渉術【アンカリング効果とは?】〜日常に溢れる行動経済学〜

「使える法則」シリーズ 行動経済学(ニンゲンの不思議)

こんにちは、Yuzuruです。

今回は行動経済学や心理学でよく見かける『アンカリング』という現象についてご紹介します!

これは認知バイアスの一種で、営業やセールスのマーケティングでよく使われています。私たちの日常は「アンカリング」だらけです(^_^;)

(※認知バイアスは、自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です)

「アンカリング」を知っていれば、衝動買いや無駄な買い物をしなくて済むようになるかもしれません・・!

何事も知っていて損はないので、ぜひ気軽にお読みいただければと思います(^^)

目次↓↓↓

  1. 1.アンカリング効果とは?
  2. 2.アンカリング効果の例
  3. 3.「交渉術」ドア・イン・ザ・フェイスとは?
  4. 4.ドア・イン・ザ・フェイスの例
  5. 5.おわりに

アンカリング効果とは?


アンカリング効果とは、最初に印象的な数値や情報を与えることにより、その後の意思決定に影響を及ぼす効果のことをいいます。

私たちは情報が揃っていない時、特定の情報に頼ってしまい、それを基準としてしまう場合があります。アンカリング効果とはその心理を利用しています。

実際によく使われている分かりやすい例をみていきましょう◎

アンカリング効果の例

ショッピングでの例

例えばアパレルショップで服を選んでいるときに、こんな表示を目にしたことがあると思います↓

  1. 本日限定!春物ジャケット
  2. 通常価格¥8900→特別価格¥3900

スーパーやコンビニでも、

  1. 期間限定!こちらの商品はどれでも!↓
  2. [¥900 → ¥500]

よく見る光景ですよね。こういう値札を見たとき、どう思いますか??

「え、今日買うとめっちゃお得だな」
「めっちゃ安くなってる・・!(°▽°)」

このように思ってしまう方が多いと思います。

実はこれこそが、『アンカリング効果』です。

これは、もともとの通常価格がいくらか知らないにもかかわらず、『「通常価格から割引されているという情報」をもとに、商品の値段を安いと評価している状態』です。

このアンカリング効果は、その商品に対して情報がない場合に働きます。事前に値段などを調べていれば、すでに適正価格を知っているので、影響を受けることはありません

人は基準を決めて判断する

私たちは何かを意志決定する場合、基準を決めて物事を判断します。先ほどの例だと、通常価格が基準になったわけです。この基準を『アンカー』と呼びます。

このアンカーに引っ張られて判断する現象を『アンカリング効果』と呼びます。

もうひとつ、マーケティング以外の日常生活においての例も見てみましょう!

日常生活での活用例

今度はアンカリング効果を利用する側の例で見てみましょう↓

あなたは友人と待ち合わせをしていましたが、寝坊してしまいした。家から待ち合わせ場所までは電車で1時間かかってしまいます。

すぐに友人に連絡をし、「1時間遅れてしまう!」と言います。
この場合、あなたがどれだけ急いで頑張って1時間後に行ったとしても、当然相手には『1時間も遅れてきた』という印象しか残りません。

ですが友人に連絡した時点で、「1時間半遅れてしまう!」と言った場合、あなたが1時間で到着すると友人は『遅刻したけど、急いで来てくれたんだな』と言う印象が残ります(もちろん性格によりますが..^^;)

これは「1時間半」というのがアンカーになり、友人はこれを基準に判断するために、「1時間の遅刻」が「まぁ早く来てくれたんだな」という印象になるわけですね_φ( ̄ー ̄ )memo

「交渉術」ドア・イン・ザ・フェイスとは?


さらにもうひとつ、アンカリングを活用した手法で『ドア・イン・ザ・フェイス』というものをご紹介します!

ビジネスなどで交渉を有利に進めるためによく使われる手法なので、知っていて損はないと思います^^)

さっそく具体例を見てみましょう。

ドア・イン・ザ・フェイスの例


たとえば何かを買うとき、あなたが50万円程度だと考えていたものに、売り手は100万円を提示してきたとします。

もちろんあなたはそんな提示を受け入れません。すると、売り手は色んな理由をつけて新たに70万円を提示してきました。

ここで注意すべきなのが「アンカリング効果」です!

このケースでは、あなたにとってのアンカー(基準)は最初に提示された100万円です。

100万円が70万円になったので、かなりの割引です。それでもあなたはさらに値引きを要求します。売り手はなんやかんや言葉を巧みに使い、60万円を提示してきました。あなたはそれで手を打ちます。

よくありそうな話ですが、どう思いますか?
40万円も安く買えたような気もしますが、よく考えればその価格は予算よりも10万円も高い数字です。つまりこれは相手にまんまと乗せらてしまったというわけなのです。

このように、最初にふっかけて、そのあと大胆に譲歩していくのが、『ドア・イン・ザ・フェイス』の常套手段です。

門前払いされるくらい高い要求を先に出して当然のごとく断られたときに、すっと小さな要求にすると、聞いてもらいやすくなるという人間心理(返報性の原理)を応用したテクニックのようです。

ちなみに、『ドア・イン・ザ・フェイス』という名前の由来は『shut the door in the face(門前払いする)』という英熟語からきているそうです..!

おわりに


今回は『アンカリング効果』をご紹介しました!営業や販売をしている方なら知ってる話だったかもしれません(^^)

周りに惑わされず、しっかりと自分の中に基準を持つことが大切ですね。

これまでも色んな行動経済学や心理学の現象を見てきましたが、人間の心理って単純であり..複雑であり..ほんとおもしろいですねー(^^)引き続き、深ぼっていきたいと思います!

それでは、また次回!

今日が素敵な1日になりますように☆

Have a nice day♪