『記憶』の仕組みを分かり易く解説!その8【実践編4『手がかり』】
こんにちは、Yuzuruです。
今回は記憶の仕組み(実践編)『手がかり』についてです!
以前からの続きになってますので、記憶力を高めたい方は最初の記事から読んで頂ければ理解できる内容になっています(^^)
(記憶の仕組み第1回↑)
(記憶の仕組み(実践編)はこちらからどうぞ↑)
記憶力を高めるために重要な部分なので参考にしていただければ幸いです。
前回のまとめ↓
- 1. ある情報を思い出すためには「手がかり」と「関連付け」が必要
- 2. 「手がかり」から記憶したい情報を思い出す練習(想起練習)を繰り返す
- 3. 想起練習を繰り返すほど、手がかりとの結びつきが強まる
- 4. 関連付ける「手がかり」は「適切」な情報を選ぶ
今回の目次(この記事を読んで得られること)↓↓↓
- 1. 「手がかり」の数は多いほうがいい
- 2. 「手がかり」を増やすには色々な情報から想起練習をする
- 3. 「手がかり」の負荷は少ない方がいい
- 4. 少ない「手がかり」からたくさんの情報を想起する方法
- 5. まとめ
「手がかり」の数は多いほうがいい
前回、意図したときに特定の情報を思い出すためには、その情報を「適切な手がかり」と結びつける必要があるという話をしました。
そして次に知っておくべきことは手がかりの数に関してです。
結論から言うと、
思い出せるようにしたい情報に結びつける手がかりは、多い方が良いです!
「手がかり」の数が多い方が、思い出したい情報にたどり着く可能性が高まるのです。
例えば、人の名前を覚えるとき、顔とだけその情報を結び付けておくだけでは不十分かもしれません。
もし顔と名前との結び付きが途切れてしまったら、名前を思い出すことは永遠にできません..(-_-;)
一方で、顔に加えてその人の話し方や香水の匂いとも関連づけておくと、どうでしょうか。
顔から名前を思い出せなくても、話し方や香水の匂いが「手がかり」となって、名前を思い出せる可能性がぐんと高まると言うわけです!
これが手がかりの数は多い方が良いという理由です◎
では、手がかりを増やすにはどうすればよいのか、解説していきます↓
「手がかり」を増やすには色々な情報から想起練習をする
手がかりを増やすためにやることはいたってシンプルで、単にいろいろな情報から想起する練習をすれば良いのです!
具体例を3つあげてみます◎
たとえば、
『人の名前』を覚えたいときに結び付ける手がかりとしては、
- 顔
- 声
- 全体の雰囲気
- その人と会った時の場面
『歴史的な出来事』と覚えたいときの手がかりとしては、
- 年号
- 出来事の背景
- その出来事に関係する他の出来事や人
『スーパーで買う食材のリスト』を覚えたいときの手がかりとしては、
- 食材のイメージ
- その食材で作ろうとしている料理
- 冷蔵庫の中の様子
という感じです(^^)
これらの複数の手がかりから情報を思い出す練習をすれば記憶に残りやすくなるのですね◎
もちろん一つの手がかりが超強力であれば、その手がかり一つだけでも十分だと言えます。
さらにその他にも、具体的に手がかりを増やして覚える方法を3つご紹介します!
1. 関連した情報をひとまとめにして覚える
まず一つ目は、「関連した情報をひとまとめにして覚える」です。
たとえば、英単語の意味を覚えたければ、そのスペルも発音も語源も関連語句もすべて覚えてしまいます。
そうすると、仮にスペルから意味を思い出せなくても、一緒に覚えた他の情報が手がかりになって、思い出せるようになります。
仕事の手順を覚えるときなどは、その手順だけでなく、その手順で行う理由、その作業を行う目的なども一緒に覚えます。
そうすると、もし手順を忘れてしまっても、その手順を行う理由などから、手順を思い出せるというわけです..!
2. 五感を活用して覚える
五感を使って覚えることも重要です。
手がかりは言語的な情報だけではありません。イメージなどその他あらゆる感覚が、情報を思い出させる手がかりになるのです。
たとえば、英単語を覚えるときに発音もしておきます。そうすると英単語を見るだけでは思い出せなくても、発音してみると思い出せるということがあります◎
また、イメージも手がかりとして非常に有効です(^^)
文字を見ただけでは思い出せない情報も、そのイメージを思い浮かべると、それが引き金になって思い出せるということはよくあるものなんですね◎
3. 感情と結びつけて覚える
感情と結びついた情報は、思い出しやすくなります。
昔の頃の記憶でも、感情が大きく動いたときの事柄って覚えているものですよね。
これは、感情を司る扁桃体という脳の組織の働きによるものだとされています。
この扁桃体が感情の動いた情報を覚えておくようにと、記憶を司る海馬に働きかけるのです。
他にも説があるようですが、とにかく「感情と結びついた情報は忘れにくい」というのが事実です..!
これを利用して、覚えるときは感情とも結びつけながら、「面白いなぁ(°▽°)」「これは驚きだ!( ゚д゚)」などと考えながら記憶すると、効果的に覚えられるし忘れにくくなるということですね(^^)
「手がかり」の負荷は少ない方がいい
手がかりの数は増やした方が情報が思い出しやすくなるということは分かりました◎
「手がかり」に関してもうひとつ重要なポイントがあります。それは、
『手がかりの負荷は減らした方が良い』ということです..!
「手がかりの負荷」というのは、「手がかりに結びついている情報の数」のことです。
...一体どういうことなのか、例をあげて説明していきますね。
具体例
たとえば、1分間で「アメリカ大統領」という手がかりから、以下の6人の大統領の名前をそれぞれ記憶して、思い出せるようにするという課題があるとします。
記憶対象:『ワシントン』『アダムズ』『ジェファーソン』『マディソン』『モンロー』『アダムズ』
手がかり:『アメリカ大統領』
実際にやってみれば分かりますが、1分後に「アメリカ大統領」という手がかりから、一度に全員を思い出すのは簡単ではないと思います。
なぜなら、「アメリカ大統領」という一つの手がかりに、たくさんの情報が結び付き過ぎているからです。
手がかりと結びついた情報が多いほど、意図した情報を見つけ出しにくくなるのです(この現象を「手がかりの過負荷」と言います)
これを解決するには、手がかりの負荷を減らすこと、つまり「一つの手がかりから、少数の情報だけを思い出せるようにすること」が重要なんですね◎
ただ、そうなると「たくさんの情報を思い出せるようにならないではないか( ゚д゚)!」と考えてしまうかもしれません。
ですが安心してください。一つの情報からたくさんの情報を想起できる方法があります◎
少ない「手がかり」からたくさんの情報を想起する方法
ここからは手がかりの負荷を減らしつつ、たくさんの情報を想起できるようにする方法を3つご紹介します!
1. 数珠つなぎに覚えていく
まず1つ目は、一つずつ数珠つなぎに覚えていく方法です。
先ほどのアメリカの大統領の例でたとえると、
まず、「初代大統領」という手がかりから「ワシントン」という記憶対象だけを思い出せるようにします。
続いて今度は、ここで覚えた「ワシントン」という情報を手がかりにして「アダムズ」を思い出せるようにする。
そしてその次は「アダムズ」を手がかりにして「ジェファーソン」を思い出せるようにする・・・
これを繰り返していって、数珠つなぎ的に複数の情報を覚えていくのです。
この方法を使えば、一つの手がかりに一つの情報を結びつけるだけで複数の情報を覚えることが可能になりますね(^^)
2. 階層に分けて覚える
2つ目の方法は、階層に分けて覚えるというものです。
たとえば、『買い物リスト』という手がかりから、
『牛乳』『卵』『定規』『絵の具』『キッチンペーパー』『サランラップ』を思い出せるようにしたいとします。
この場合まず、『買い物リスト』という手がかりから、『食べ物』、『文房具』、『台所商品』という3つの情報を思い出せるようにしておきます。
それから、『食べ物』という手がかりからは『牛乳』と『卵』を、『文房具』からは『定規』と『絵の具』、『台所用品』からは『キッチンペーパー』と『サランラップ』を思い出せるようにします。
図にするとこんな感じです↓
(引用:一流の記憶法より)
この方法でも、一つ一つの手がかりに結びつける情報は少なくしつつ、たくさんの情報を覚えることが可能ですね(^^)
3. 記憶術を利用する
3つ目は記憶術を活用するというものです。
『五大湖』を覚えるという課題の場合、たとえば、頭文字法という記憶術を活用してみます。
まず、覚えたい情報の頭文字を切り取り、覚えやすいように並べます。今回の場合だと『HOMES』になります↓
H-ヒューロン湖
O-オンタリオ湖
M-ミシガン湖
E-エリー湖
S-スペリオル湖
この『HOMES』を、五大湖という手がかりから思い出せるようにします。
そうすると、いざ湖の名前を思い出したいときには、
1. まず『五大湖』から『HOMES』を思い出す。
↓
2. 『HOMES』のそれぞれのアルファベットから、湖の名前を思い出す。
という効率の良い流れができるんですね◎
記憶術に関してはまだまだいろいろな方法があるのでまた記事にしたいと思います!
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の内容をまとめると、
手がかりの数に関しては、
- 1. 特定の情報を思い出すための手がかりの数は多いほうが良い
- 2. 手がかりを増やすには、色々な情報から想起練習をする
手がかりを増やして覚える方法は、
- 1. 関連した情報をひとまとめにして覚える
- 2. 五感を活用して覚える
- 3. 感情とも結びつけて覚える
さらに、手がかりの負荷に関しては、
- 1つの手がかりに結びついてる情報は少ない方がいい
記憶に関して勉強していると改めて、記憶力は生まれつきのものではなく、後から鍛えられるスキルなんだなぁと考えさせられます。
記憶の仕組みを知って、効率よく物事を覚えられるよう引き続き記憶について深ぼっていきたいと思います!
記憶シリーズも後半に入っています、また次回お楽しみにー!
それでは、素敵な1日をお過ごしください☆
Have a nice day♪