【サンクコスト効果とは?】「もったいない精神」がもったいない話

「使える法則」シリーズ 行動経済学(ニンゲンの不思議)

こんにちは、Yuzuruです。

今回は『サンクコスト効果』について解説します!

サンクコスト効果の影響を受けてしまうと、時間や労力やお金をムダに費やしてしまうことになります..。

この記事でサンクコストを理解し、日々の生活で活かしていただければ幸いです(^^)

この記事はこんな方にオススメです◎

  • もったいない精神が働いてしまいがち..
  • サンクコスト効果について知りたい
  • 不必要な思い込みを捨てたい!

目次(この記事を読んで得られること)↓↓↓

  1. 1. サンクコスト効果とは?
    1. 1-1. コンコルド効果
  2. 2. 日常でよくあるサンクコスト例
    1. 2-1. ギャンブルがやめられない
    2. 2-2. 服が処分できない
    3. 2-3. 読書が中断できない
    4. 2-4. 食べ放題で食べすぎる
    5. 2-5. 恋人と別れられない
  3. 3. サンクコスト効果を避けるための対策
    1. 3-1. サンクコスト効果を自覚する
    2. 3-2. ゼロベースで考える
    3. 3-3. 機会費用を考える
    4. 3-4. 第三者の声を取り入れる
  4. 4. まとめ

サンクコスト効果とは?


まず、サンクコストとは「回収ができなくなった投資費用」を意味し、「埋没費用」とも呼ばれます。

そしてこれまで投資してきたお金や労力をもったいなく感じ、回収しようと躍起になって合理的な判断ができなくなることを『サンクコスト効果』といいます。

サンクコスト効果と同意で有名な「コンコルド効果」というという言葉があります。

コンコルド効果とは


コンコルドというのは、1960年代にイギリスとフランスが共同で開発した超音速旅客機の名前です。

この飛行機には巨額の開発費用がかけられていましたが、「離着陸できる空港が少ない」「乗客定員数が少ない」といった理由から採算が取れないことを理由に発注のキャンセルが相次ぎます。

開発の途中で明らかに採算が見合わないことがわかってきたのです..!

ですが「今まで投資した予算や期間、労力を無駄にしたくない..!」との思いから開発は続行され、その結果、損失額はより巨大化してしまいました..。

採算が見合わないとわかった時点で合理的に決断していれば損失は最小限に抑えられたかもしれません。

このような背景からサンクコスト効果のことをコンコルド効果とも呼ぶようになりました。

日常でよくあるサンクコストの例


サンクコスト効果は私たちの日常でもよくはたらいています。

身近な事例を5つ紹介していきますので、自分はサンクコスト効果に陥っていないか想像しながら読み進めてみてください(^^)

1. ギャンブルがやめられない


まず分かりやすいのが「ギャンブルがやめられない」という例です。

例えばバチンコやスロットをして、3万円を投入しても全く当たりが出なかったとします。
このような場合、

「あと5000円入れれば当たりが出るはず..!」
「3万円も投入したのだから少しでも回収したい..!」

という心理がはたらき、ギャンブルを継続、その結果さらに負けを大きくしてしまいます。

このケースでは3万円はすでに回収できないサンクコストです。それをギャンプルを継続かどうかの判断にするのは全く合理的ではありません。

サンクコストの考えを知っていれば、「今日はツイてないから諦める」という合理的な判断もでき、損失は3万円で済むことができます。

UFOキャッチャー

ゲームセンターのUFOキャッチャーなどもサンクコスト効果がはたらく場所です。商品をゲットするために熱中した経験はないでしょうか。
そしてお金を投入すればするほど、、、

「こんなにお金をかけたんだから、ゲットするまでやめられない!」
「次は取れる!コツは掴んだ!」

と考え、なんとなく取れないとはわかっていても、合理的な判断ができずに取り返そうとしてしまう。そして結果お金がなくなってしまうという・・(それすらも楽しんでいるなら話は別ですが(^^))

2. 服が処分できない

「なかなか服が捨てれない!」という方は多いですよね。

あの理由の一つにサンクコスト効果がはたらいているというのがあります。

例えば、服を整理しているときにクローゼットの奥から全く着ていないダウンジャケットが出てきました。
そのダウンジャケットは3年前に15万円で買ったものです。

ここで合理的な判断をすれば、3年も着ていないことから、捨てるか売るかするのが正しい判断です。

ですが15万円というサンクコストを考えてしまい、服が整理されないという「」があるにも関わらず、「いつか着るかも..」と理由をつけて取っておいてしまう。これもサンクコスト効果によるものです。

3. 読書が中断できない


サンクコストは読書や映画鑑賞にも当てはまります。

たとえばあなたは世間で話題の本を3000円で購入したとします。

ところが読み始めてみたら、自分の価値観とは合わない内容で、面白さを全く感じませんでした。ここであなたならどうするでしょうか?

合理的に判断するなら、すぐに読書をやめて、これ以上自分の時間を無駄にしないようにするべきです。

しかし多くの人は、本に費やした費用や時間を考え、「もったいないし...」と最後まで読もうとします。

サンクコスト効果の影響を強く受けているので、読書を中断すればその分有効に使える時間が増えるということまで考えないんですね。

「やるorやめる」の判断基準にサンクコストを含んでしまうと、合理的な判断ができなくなってしまうのです..!

4. 食べ放題で食べすぎる


これもよくある例ですが、食べ放題で途中でお腹がいっぱいになったけど、「払った分食べてない!」と思って無理に食べてしまう・・。

その結果、お腹パンパンで苦しくなる(ーー;)

この場合のサンクコストは、食べ放題に払った金額です。

胃の大きさは決まっているので、幸せに感じられる分を食べる方が身体にとっては健康的です。

サンクコスト効果を分かっていれば、苦しくなることもなく、幸せに食べ放題を終えられますね◎

5. 恋人と別れられない

サンクコスト効果は恋愛においてもはたらきます!

恋人同士の「別れ」や夫婦の「離婚」という場面では、何の迷いもなくきっぱり別れることができる人の方が少ないと思います。

一緒にいる時間が長ければ長いほど、別れたいと思っていてもなかなか別れられないものです。

恋愛においてのサンクコストは、「すでに戻ってこない相手に費やした時間や労力やお金」です。

もちろん相手への同情で別れられないケースもあると思いますが、サンクコスト効果が強くはたらいた結果、

    「今はうまくいってないけどまたそのうち仲良しになるかもしれない..(ーー;)」

などの根拠のない期待だけでダラダラと別れられない場合が多いようです。

経済学的には、好きでなくなったらきっぱり別れるべきだそうで、過去の時間や労力に引きづられていては、将来の時間や労力が減ってもったいないからです..!

何をしていても時間は止まってはくれないので、できる限り有意義な時間を過ごしていきたいものですね。

サンクコスト効果を避けるための対策


それではここからサンクコスト効果を避けるための対策を4つご紹介してきます!

1. サンクコスト効果を自覚する

まずは「自分がサンクコスト効果に影響されている」ということに気づくことです◎

何かを判断するとき、

    「ここでやめたらもったいない!」
    「せっかく〇〇したんだから..」

と少しでも思ったら、サンクコストにとらわれている可能性が大です..!自分の判断をもう一度客観的に見直してみましょう。

サンクコストが大きいほど「もったいない」という気持ちが強くなりますが、長期的にみればサンクコストにとらわれている方がもったいないので、誘惑に負けずに合理的に判断することが大切です◎

2. ゼロベースで考える


サンクコスト効果を避けるために「ゼロベースで考える」のが有効です。

ゼロベースで考えるとは、過去にとらわれずに、常に白紙の状態で考えることです。具体的には、

「最初に戻れるならどうするか?」

と自分に問いかけることです。

たとえば、つまらない本を買ってしまった例をゼロベースで考えてみると、

    「今本を買う前に戻れるとしたら、自分はこの本を買うだろうか..?」

答えが「NO」なら、すぐに読書をやめて他の有意義なことに時間を使いましょう(^^)

3. 機会費用を考える

意思決定をするときは、サンクコストではなく「機会費用」に目を向けてみましょう。

機会費用というのは「ある選択をしたために、逃してしまった機会」のことです。

たとえば、仕事を休んだ場合の機会費用は「給料」です。
逆に、仕事に行った場合の機会費用は、「家族や友人と過ごす楽しい時間」などになります◎

面白くもない本を読み続けて発生する機会費用でいうと、「もっと為になる他の本の読書時間」や「友人や家族との親密な時間」かもしれません。

意思決定するときは機会費用を判断基準に加えることで、より有益で悔いのない選択ができるようになります

これは取り入れたい考え方ですね(^^)

4. 第三者の声を取り入れる


迷ったときは、誰かに意見を求めるのも有効な方法です。

サンクコストにとらわれてしまう原因は、主観的な思い入れや愛着です。

第三者なら思い入れもないので、サンクコスト効果がはたらかず冷静な判断ができます。

ポイントは、できるだけサンクコスト効果の影響から遠くて、信頼ができる第三者に意見を聞くことです◎

まとめ


以上、いかがだったでしょうか。今回は「サンクコスト効果」について解説しました!

簡単に内容をまとめると、

サンクコスト効果とは?↓

  1. これまで投資してきたお金や労力をもったいなく感じ、回収しようと躍起になって合理的な判断ができなくなること。

日常でサンクコスト効果がはたらく例↓

  • ギャンブル・ゲームがやめられない
  • 服が処分できない
  • 読書や映画が中断できない
  • 食べ放題で食べ過ぎる
  • 恋人と別れられない etc..

サンクコスト効果を避けるための対策とは?↓

  • サンクコスト効果を自覚する
  • ゼロベースで考える
  • 機会費用を考える
  • 第三者の声を取り入れる

基本的にヒトは損をしたくない生き物なので、費やした時間やお金や労力をムダにしたくない!という心理がはたらいてしまうんですね。

これは本能的な思考なので仕方ないですが、時に「もったいない精神」が「もったいない」を生むかもしれないということは知っておいて損はありません◎

一回きりの人生、時間を大切に使っていきたいですね(^^)

最後までお読みいただきありがとうございました。

他にもいろいろな行動経済学や日常で使える法則をまとめていますので、興味のある方は見ていってください◎


それでは、素敵な1日を☆

Have a nice day♪