深部体温を下げることで睡眠の質が高まる!【体温】と【睡眠】の話
こんにちは、Yuzuruです。
以前睡眠は「はじめの90分間」が大事という話をしましたが、そうは言っても寝つきが悪いという方も多いと思います。自分もそうでした・・・。
ぐっすり眠りに入るために重要な要素として、『体温』と『脳』の状態があるのですが、今回は『体温』に焦点をあてて解説していきます!
少しでも質の良い睡眠のお手伝いができれば幸いです◎
(前回の記事はこちらです↓)
目次↓↓↓
深部体温と皮膚温度
まずヒトの体温には『深部体温』と『皮膚温度』の2種類があります。スムーズに質の良い睡眠に入るには、『深部体温』と『皮膚温度』の温度差が重要になります◎
人間の体温は、日中起きている時は温度を上げて活動を維持し、寝る時は温度を下げて筋肉や臓器を休ませます。これは、深部体温という内部の体温の変化の話です。
体温は、「筋肉や内臓による熱の産生」と、「手足からの熱の放散」によって調整されています。
深部体温は日中高くて、夜間低くなりますが、手足の温度(皮膚温度)はまったくその逆で、昼に低くて夜に高なります。
起きている時は、通常深部体温の方が皮膚温度より2℃ほど高い状態にあります。
入眠時は深部体温と皮膚温度の差が縮まる
健康な人の場合は、入眠前には手足が温かくなります。
これは、皮膚温度を上げ、手足にあるたくさんの毛細血管から熱を放散することで、効率的に深部体温を下げているのです。
つまりスムーズに眠りに入るためには、深部体温と皮膚温度の差が縮まっていることが鍵になるのです。
『入眠時には深部体温を下げて皮膚温度は上げる。』これが質の良い睡眠へ入るために大切なんですね!
雪山で遭難すると眠くなる理由
「体温が下がると眠くなる」と聞くと、「雪山で遭難するシーン」を思い浮かべる方もいると思います。
よくドラマや映画で、雪山で遭難するあのシーンです。
「寝るな!ここで寝たら死んでしまう!!寝るなー!!」
みたいなやつです。
この時、体の中ではどのような事が起こってるのかというと・・・
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1.極度の寒さの中、肺に冷たい空気が入り深部体温が急激に下がり始める。
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2.入眠のスイッチが入ると同時に体がガタガタ震えだす。
(生命維持(=体温維持)のため、何とか体温を上げようと筋肉を動かして熱産生を開始するため)
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3.それでも体温が上がらないと体は動きをやめる。
(筋肉を動かすためにエネルギーを消耗し、脳を動かす分のエネルギーまでなくなってしまうのを防ぐため(手足が動かなくても死なないが、脳が働かなくなると確実に命が絶えてしまう))
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4.脳の中でも生命維持に必要な自律神経(呼吸、心臓、体温維持など)を司る部分は動かし続け、命に直接関わりのない部分(思考、筋肉、消火活動など)は停止してスリープモードに入る。
これが「雪山で眠くなる理由」です。
また、深部体温は下がっていくけど、手足は手袋やブーツで手厚く保護され、皮膚温度は保温効果が保たれていることも眠気の原因の一つです。
こうして眠ってしまった結果、、、
「睡眠中は深部体温は下がる性質があるので、雪山で寝てしまうと通常よりもさらに体温が奪われて『低体温症』になり、やがて死に至る」
ということになってしまいます。
雪山で、「寝るなー!!」の背景にはこんな理由があったのですね・・。
深部体温を下げる3つの「体温スイッチ」
質の良い睡眠のためには、皮膚温度を上げて、深部体温を下げ、その差を縮める。この「上げ下げ」が大切だということは分かりました。
ではどうすれば皮膚温度と深部体温の差を縮められるのか、方法を3つご紹介します!
- 1.入浴
- 2.足湯
- 3.室温コンディショニング
順番に解説します◎
1.入浴で深部体温を上げる
深部体温はなかなか簡単に変化するものではないですが、入浴はその深部体温をも動かす強力なスイッチになリます!
入浴に関する実験データでは、「40℃のお風呂に15分入ったあとで測定すると、深部体温が0.5℃上がる」という報告があります。
この「一時的に深部体温が上がる」というのが重要で、深部体温は上がった分下がろうとする性質(ホメオスタシス(恒常性))があります。
なので入浴で意図的に深部体温を上げれば、入眠時に必要な「深部体温の下降」がより大きくなり、熟睡に繋がるというわけです。
0.5℃上がった深部体温が元に戻るまではおよそ90分、入浴前よりさらに下がっていくのはその後になります。
ということは、入浴に関しては、
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『寝る90分前に入浴を済ませておけば、その後さらに深部体温が下がっていき、皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できる』
というわけです!
すぐ寝るときはシャワーがベスト
忙しくて寝る90分前に入浴を済ますなんてできない!という方は、深部体温が上がりすぎないように、ぬるい入浴かシャワーがオススメです◎
2.「足湯」で熱放散
さらに、シャワーより効果的で即効性のあるのが、『足湯』です!
体温の熱の放散を主導しているのは、表面積が大きくて毛細血管が発達している手足なのです。
なので「足湯」で足の血行を良くして熱放散を促せば、入浴と同等の効果が得られるというわけです!
入浴は主に「深部体温を上げるアプローチ」で、体温が大きく上がって大きく下がる分、時間がかかります。
その点、足湯は主に「熱放散のアプローチ」で、体温の上昇は大きくないけど、その分深部体温を下げるのに貢献してくれるのです。
寝る直前でもオーケーというのが気軽で良いですね(^^)
靴下を履いて寝るのはどうなの?
よく足が冷たくて眠れないから靴下を履いて寝るという話を聞きますが、体温と睡眠の関係からすれば、これはどうなのでしょうか。
結論から言えば、
「靴下を履いたまま寝てしまうと、足からの熱放散が防げられてしまい、眠りの悪化につながる」とのことです。
足から熱が逃げないと、深部体温が下がりにくいので、質の良い睡眠が取れないのですね。
なので靴下を履くならば、
- 靴下を履いて足を温める→靴下を脱いで熱を放散させ、深部体温を下げる→入眠
という流れが理想です_φ( ̄ー ̄ )memo
3.室温を最適に調整する
眠りには寝具の話がつきものですが、どんなに良い寝具でも、室温を整えておかないと、メリットを引き出せません。
入眠の際の体温から考えても快適な室温がとても重要になります。
たとえば、室温が高すぎると、必要以上に汗をかきます。
入眠後は体温が下がるうえに、さらに発汗によって過剰な熱放散があると、体温が下がりすぎてしまいます。
これが夏風邪の原因の一つだそうです∑(゚Д゚)
また、温度が高いと湿度も高い場合が多いです。湿度が高すぎると発汗しやすくなり、手足からの熱放散を妨げられ、眠りが阻害されてしまいます。
逆に室温が低すぎると血行が悪くなり、熱放散も起こらずなかなか眠れなくなります~_~;
何℃に設定すれば一番快適なのか?
適温に関しては、個人差が激しいので、厳密に「何℃が良い」というのは言えないのですが、冷房をつけて寝るとしても、おやすみ機能やタイマー機能などを設定すれば、冷房が効きすぎて風邪をひくなんてことは防げます(^^)
体温は外気温にすぐには反応しないので、睡眠ステージごとに室温を調整する必要はありません。
また、そば殻枕などで頭を冷やすのも良いようです!
脳の温度は深部体温ととても似ていて、入眠時には低くなるんだそうです。脳に関しては次回改めて深掘りたいと思います_φ( ̄ー ̄ )
まとめ
今回は「睡眠」と「体温」の関係についてでした!簡単にまとめると、
スムーズに良質な睡眠を取るためには、
- 深部体温と皮膚温度の差を縮めることが大切。
そのためには、
- 入浴やシャワー、足湯を寝る時間によってうまく利用し、部屋の温度を適温にコントロールする。
睡眠に関しては、突然環境を変えても寝れなくなるので、少しずつ変化させて環境を整えていくことが大事ですね(^^)
次回はぐっすり眠るために重要なもう一つの要素、『脳と睡眠』に関してまとめたいと思います。お楽しみに!
前回の睡眠記事はこちらです↓
今回参考にした本はこちらです↓
わかりやすい漫画版↓
それでは、素敵な1日をお過ごしください☆
もしくは、おやすみなさい☆
Have a nice day♪ or Sweet dreams♪